私たちは、お金で幸せは買えないと親に信じ込まされて育った。ところが、テレビ広告やソーシャルメディアの投稿を見ていると、私たちは持てるものが多ければ多いほど幸せになれるということが暗に伝わってくる──いったいどちらが正しいのだろうか。
驚いたことに、双方とも間違っている。お金を使うことが幸せにつながり得ることは研究でわかっているのだが、より多くのモノを買うことが正解とは限らない。そうではなく、自分の人生の重要な部分に投資したほうがいい。
1. 使う前に貯蓄を検討する
お金を使うのはたしかに楽しいが、貯蓄も幸福度を高めることが研究でわかっている。実際、英国での調査では、収入の大きさよりも銀行に預けたお金のほうが人生の満足度との結びつきが強いことが判明した。
2. 時間を確保するために使う
ある調査では、参加者に時間を確保するために使う40ドルと、それとは別にモノを購入するための40ドルが与えられた。結果は明らかで、時間を確保するための支出は人生の満足度向上につながったのだ。しかもその傾向は幅広い所得水準の人々に共通していた。
3. 健康につながる習慣を楽にする
睡眠パターンが健康的だと、人生の満足度は高い傾向にあることが研究で解明されている。フィットネスや栄養も、幸せとの関連が指摘されている。こうした健康習慣に共通するのは、いずれも少々のお金を出せば、より楽に習慣づけられるという点だ。
さまざまな状況において、より健康になるために使うお金は間接的に自分を幸せにできるのだ。
4. 他人の幸せに投資する
「与うるは受くるより幸いなり」。これは聖書の有名な一節だ。この思考はたしかに社会の主流文化には反しているものの、複数の調査研究に裏付けられている。
あるケースでは、参加者に少額のお金が与えられ、自分自身のために使うグループと他人のために使うグループに分けられた。
どちらのグループが事後により幸せを感じたと報告したかおわかりだろうか。もちろん、他人のために使ったグループだった。
5. 物質的なモノより経験を大事にする
物質的なモノより経験にお金を費やしたほうが、長期的に見て私たちを幸せにする。これは数え切れないほどの研究で明らかになっている。私たちは経験を予測して記憶にとどめる可能性が高く、それが支出のポジティブな影響を増幅するからだという。
幸せな買い物をする方法
「新しいボートを買う」というと楽しそうに聞こえるかもしれないが、住まいが湖から何時間も離れているなら、新しい自転車を買ったほうが長く楽しみを得られるだろう。
こうした思考のエクササイズに隠されていることこそ、本記事の大事なポイントだ。お金は不用意に使わず、意図をもって支出しよう。そうすることで人生の満足度は高まり、両親やソーシャルメディア上の友人たちよりも「自分は賢い」と感じる機会が得られるかもしれない。
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