フェニックステレビのベテラン戦争記者のルーは、ウクライナへの残忍な侵攻を続けるロシア軍に従軍するおそらく唯一の外国特派員だ。
ルーはロシア側から独占取材をしているようだ。3月2日には、ウクライナ東部で一方的に独立を宣言した親ロシア派武装勢力「ドネツク人民共和国」の指導者・デニス・プシーリンにインタビューを敢行。ドネツクの武装勢力はウクライナ軍にはかなわないが、「ロシア軍の支援により、行政区内の40の住宅地を解放。勝利は拡大し続けている」と伝えた。
ウラジーミル・プーチン大統領は、当局が「フェイク・ニュース」と見なした場合に、記者らに最大15年の禁錮刑を科すことができる法案に署名。外国メディアは取材活動の停止を余儀なくされた。このため、ルーのロシア軍での異例の受け入れは他の記者に対するものとは正反対だ。また、ロシアと中国の協力関係の度合いについても、疑問を投げかけている。
ロシアがウクライナに侵攻する直前、中ロ政府は「無制限」の協力関係を宣言。中国は、ロシアへの支援と、侵攻に対する国際社会の非難や一連の制裁とのバランスを取るのに苦心してきた。
中国は、米国の資金提供を受けたウクライナの研究所が密かに化学兵器を製造しているという証拠のない疑惑や、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が首都キエフから逃亡したというロシア国営メディアが以前行っていた主張など、ロシアの偽情報と陰謀論を後押ししている。
当局からの信用の証?
ルーの報道には、ウクライナの過激派が人間の盾として1000人以上を人質に取ったという主張など、ロシアの偽情報が含まれている。一方、ルーはウクライナの民間人犠牲者を取材し、中国のネットユーザーがウクライナ女性をモノのように見ていると批判。国家主義者や親ロシア派の間では、親ウクライナの「うわさ」を作り出し、偏見や客観性を欠いていると炎上した。
フェニックステレビのウェブサイトや、ニュース記事によると、ルーは元人民解放軍の海軍士官で、数十年間モスクワに住んでおり、チェチェン紛争などを取材。チェチェン紛争では、ロシア軍の保護を受けたとされている。取材活動で、ロシア政府や軍から複数の賞を受賞しており、自身の働く報道機関がロシアの諜報関係者と良好な関係を築いていると発言したこともある。
「両国はお互いに排他的ではありません。ただ一つ確かなことは、ロシアは、外国人記者がロシア軍とその努力を肯定的に描くことが確実でないなら、従軍を認めないということです。ルーが従軍しているということは、ロシア当局はルーがロシアの戦争努力について否定的なことを書かないと確信できるほど、彼をよく知っているということを示しているはずです」
フェニックステレビは、ルーがどのようにしてロシア軍に従軍することができたか、質問に答えなかった。
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